深夜のぼやき
両親揃った家庭で子どもを育て、家族みんなでささやかな幸せを共有しながらあたたかく暮らすのが夢だった。
しかし、子が生まれて数ヶ月でその夢は叶わぬものに。
2回目の結婚記念日を夫と祝うことはなかった。
本当に人生何があるかわからない。
夫が倒れた時、神様はいないんだと心の中で何度も何度も呟いた。
うちは小さい頃から両親が不仲で最終的に離婚。
別れることで父と母が幸せになれるなら、喧嘩喧嘩の日々が終わり少しでも平穏な日々が戻るならと、離婚には反対しなかった。
目一杯強がっていたけれど、友達が両親と笑顔でお出かけしている場面に遭遇すると、少し胸が疼いたり…。
本当は羨ましかったのだと思う。
息子も私と同じ思いをするだろうか。
「パパがいる家庭」を知ることなく育つ息子。
両親揃って笑顔で出かける家族を見ては自分の状況と比較して、小さな胸を痛めることがあるかもしれない。
今になって思う。
もし…もし神様がいるならば、私の幼少期〜思春期の心の痛みは、息子が経験するであろうそれを少しでも理解し寄り添うことができるようになるための贈り物だったのかもしれない、と。
子が傷つき苦しんでいるときに、その心の痛みを分かれないことほど辛いことはない。
親子であれどやはり違う人間。
100%理解することはきっと難しい。
だけど「父親不在」を経験している私だから、同じく父親不在で育つ息子の辛さは理解できる部分も多いのかもなって。
同じ「父親不在」でも状況は全く異なるので難しいところではあるけれど…
少なくとも、息子が必要とする限り私は彼の「安心できる場所」であり続けたい。
強く優しくありたい。